RJD作品解説~ストーリー編・第一幕~

劇が始まるとまず、争い合っている両家が登場します。

キャピュレット夫人、その息子ティボルト。

モンタギュー夫人、その思想に傾倒する青年活動家ベンヴォーリオ。

中立の立場の聖堂騎士団に所属するパリス伯爵。


映画「ファイトクラブ」のようなイメージのシーンです。

地下室のような狭く暗い閉鎖的な空間でバトルが繰り広げられます。

争いはご法度ということでベンヴォ―リオとティボルトはあくまで挑発を主に闘います。

会場のスタジオ空洞は池袋駅から徒歩10分という立地にもかかわらず、非常に分かりずらい入口で、その狭い階段を降りた地下一階で劇が行われます。

その現実と劇空間(虚構)をリンクさせスタートさせる演出でした。

また、定時刻開演なので少し遅れてしまったお客様をスムーズにご案内するために導線を確保する配慮がされていました。


そして聖堂騎士団長・エスカラス公爵が止めにやってきます。

両者とも負傷はしていませんが、騒乱を先導したこと自体を罰するためともに死刑を言い渡します。

そこへ、ティボルトの妹・ジュリエットが来ます。

ジュリエットは既存のイメージを覆す傍若無人っぷり。

エスカラス家の長男でティボルトの友人パリス伯爵をビンタし、公爵に文句を言います。

常識から逸脱した行動は無礼を極めるが、しかし芯を射抜いており、さらに無意識ですが言動には絶妙な間があり、人々の視線を集める求心力があります。

演劇の力と同じ、時間と空間を操る力がジュリエットには備わっていたのです。


エスカラスは稀有な存在感を発揮するジュリエットに失われた自由を想い、ヴェローナが再び喜びに溢れた華やかな街に戻るよう期待を込め特例を出し、場を去ります。
抑圧されるほど自由への渇望は強まるのが世の常ですね。

場に残ったのはモンタギューとベンヴォーリオ。
モンタギュー一門はパリピな言動が目立ちますが、ここではベンヴォーリオの臆病だけど信念のある、活動家としての一面が描かれています。
また、モンタギュー夫人も何かの研究者のような博識かつ偏屈な一面が垣間見れます。
もしかしたら世界平和のために賢者の石や錬金術を研究していたのかもしれません。

夫人が去るとロミオが現れます、もちろん恋に悩んで。
ですがロミオの恋の相手はジュリエットの友人でパリス伯爵の妹・ロザラインだったのです。
誰にもバレていないと思っているのはロミオ本人だけ。街中のみんなが知っているほどにあからさま。
そう、ロミオは内気でナイーヴな少年ではなく、ちょっと暑苦しくウザったい20代後半の男なんです。
なお、ジュリエットも同年齢。二人はこじらせ系男女だったんです!

そしてベンヴォーリオもちょっと抜けていて、ロミオの恋の相手はジュリエットと勘違いします。
ベンヴォーリオはロザラインと付き合っているので、夢にも思わなかったというわけです。

その夜、エスカラス家のロザラインはベンヴォーリオと密会し、弟マキューシオにも手伝わせロミオをジュリエットと引き合せるため策を練ります。
ところが、今朝パリスはジュリエットに一目惚れしていて、夫人とティボルトに引き合わせてくれるよう頼んでいたのでした。


かくして波乱必死のキャピュレット家パーティの始まり始まり〜♪


歌い、踊り、狂乱の宴が催されるキャピュレット邸。


夫人は生歌を披露し、パリスはあの手この手で迫るもジュリエットは逃げの一手。

しびれを切らし妹ロザラインを差し向けます。


そこへロミオがやって来る。

ロミオはついに恋い焦がれるロザラインに声を掛けます。

あ、ジュリエットは邪魔なので持っていたシャンパングラスを差し上げ体良く追いやります。

ジュリエットはそのグラスで生まれてはじめて間接キスをしてしまいます。

熱い告白も虚しくロザラインは去ってしまい失意のどん底へと落ちてしまうロミオ。

ベンヴォーリオとは違う真正面から思いをぶつけてくるロミオに恋心が芽生えてしまうロザライン。


内戦の緊張状態の中、ストレスを誤魔化すために酒に手を伸ばす大人たち。

そんな情勢はお構いなしに思うままに突き進む青年たち。



舞台は整い、物語が動き出す第二幕へと移行します。


to be continued.

クリム=カルム - théâtrale du crime=calme -

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